オスマンサスは秋に甘いフレグランスのような香りを放つキンモクセイのこと。
当たり前のように秋になったら街路樹からキンモクセイの香りがします。
身近な存在であるにも関わらず単品のアロマオイルではほとんどお目にかかることがないキンモクセイでもあります。
そんなキンモクセイには実はアロマテラピーとしての効能も持っていますので、
ご紹介したいと思います。
【フルーティーで甘いフローラルのキンモクセイの香りに癒しの効果が】
キンモクセイの精油の抽出部位は、花から採れます。
キンモクセイの花は5mm程度の小さい花が無数に集まっているため、採れる量が少ないので、
溶剤抽出法(アブソリュート)で抽出します。
その香りは深みのあるフルーティーさやスパイシーさを含んだ香りで、
ふわっと香る甘いキンモクセイをイメージしていると裏切られるともいわれるほど
濃縮されているそうです。
その為、他のフローラル系のバラなどとブレンドするとマイルドになるともいわれています。
そんなキンモクセイの香りにはいろいろな期待される効果があります。
キンモクセイの主な成分は、
リナロール、オイゲノール、ゲラニオール、β-イオノン、リナロールオキシド、パルミチン酸エステル、リノレン酸エチル、サリチル酸エチル
濃厚なフルーティー調のフローラルでスパイシーさを含ませた奥深いキンモクセイの香りには、
心を落ち着かせる効果があると考えられています。
主な成分として、リナロールやゲラニオールが含まれているため、
神経を落ち着かせる鎮静作用があるほか、
気分が落ち込んでしまうなどの症状を軽減する抗うつ作用のような働きも期待できるといわれています。
普段から甘い香りがお好みの方であればよりストレスを感じるときや、リラックスタイムを楽しみたい時にちょうどいいかもしれません。
リナロールはラベンダーにも含まれているため、リラックス効果から安眠にも役に立ちそうです。
オイゲノールは、クローブなどにも含まれる成分で刺激のある快い芳香を持っています。
キンモクセイには鎮静作用や抗炎症作用があるとされているので、芳香浴などをすると胃が痛いときや、胃が炎症を起こしているときなど消化器系の不調の緩和にいいそうですよ。
また、芳香浴をすると抗炎症作用で肌荒れにも効果が期待できるといわれていますが、
肌に直接つけるということはしないそうなので過剰に入れない方がいいとのこと。
また、便秘や利尿作用や解毒効果も高い精油なんだそうです。
興味深いのはキンモクセイの香りには、食欲抑制効果があるといわれていること。
キンモクセイの香りには、食欲を促すオレキシンというタンパク質を減少させる働きがあるといわれています。
また、食用花には抗酸化作用があるのでアンチエイジングにも影響がありそうです。
世界三大美女のひとり、楊貴妃も愛したといわれる「桂花陳酒」というキンモクセイの花を白ワインに3年漬け込んで熟成させたお酒もありますので、美しく食欲もコントロール出来そうですね。
ところでキンモクセイの香りを嗅ぐと、臭いと思う人といい匂いと思う人とわかれることはありませんか?
キンモクセイの成分にはβ-イオノンが含まれています。
β-イオノンはスミレの匂い成分のひとつですが、この香りを感じやすい人は食品にβイオノンが添加されると好ましく感じず、感じにくい人は添加されたほうを好む傾向があるようです。
キンモクセイの香りも意外と臭いと感じる人と、いい匂いと感じる人が分かりやすい香りでもあるようなので、もしかしたらこういった成分が関係しているのかもしれませんね。